伊藤潤二 in 思春期
娘が日曜日に、いつも一緒に帰っている友達がチョコレートを渡すのにつき合うという。
それを聞いて思わず「かーわい~~」とニマニマしてしまった。そして、はっとした。
そうなのだ、バレンタインデイは彼女たちのためにあるのだ。(いや別に彼らのためにでも全然いいんですけど。)いつか告白したい、でもそのチャンスを自分からなかなかつかめない、そんな弱気な乙女心(男子でもね←しつこい)をちょっと背中を押してくれるイベントが、バレンタインデイだったんだ。
かくいう娘は、今は漫画「地縛少年 花子君」に夢中である。
よく見るとかわいい絵だなぁ。
(私は残念ながら1巻半ばでリアイアしてしまった。また今度トライしてみたいと思う。)
あ、もうそろそろ娘の話は控えたほうがよい時期だろうか…気づいたら大人の階段登っている君は~シンデレラっさ~の時期にとっくに入ってたみたいだ…。
そうか本人に許可をとればいいんだ。そうかそうしよう。(NGだったりして~)
この漫画、偶然本屋で立ち読みして気に入った本らしい。ホラー系というのが私自身の同時期を思い出すとかぶってて親子だと思う(笑)
ちなみにわたしは小学生のころ、友達が読んでいた「ハロウィン」に掲載された伊藤潤二の「富江」の第一話を友達の家で読んで衝撃を受けて以来、単行本になるたびに伊藤潤二の漫画を買った。
第一作目を買ったときの興奮は今も忘れられない。
…と、ここから先はホラーの嫌いな人は閲覧注意、かもしれませぬ。
あしからず。
そう!この絵画っぽい質感がたまらなく好きだった。水彩画かな…。
梅図かずおのアシスタントをしていたことがうなずける画風と恐怖のなかのユーモア、それと端正な顔立ちでモデルのようなキャラクターが魅力的だった。
6,7冊くらい集めたかな?と思ったがちゃんと数えてみると16冊だった。
といっても知らぬ間に弟がに誰かに貸してたりして(おいおい)手元にあるのは半分以下だ。
細かい描き込みや味のある手描き線がだんだんとすっきり洗練されてきて、グロ系要素が強くなったりして(ホラー好きなのにちっちゃいまるとか穴とかがいっぱいあるタイプのが大の苦手)、朝日ソノラマから別の出版社にうつったころからかな?、買わなくなってしまった。
うろ覚えで好きだった話を…ちょっとだけ挙げてみる。
○「道のない街」
1枚画でもなんかぞわぞわしませんか。
気になってきませんか。
読みたくなってきませんか。これはいったい何だと。
伊藤潤二の絵の一番好きなところはここかもなぁ。
超初期のころによく見られた絵画っぽい温もり感じる質感。
1枚の絵としてはっとするんだよね。この絵はちょっと版画っぽい。
丸尾末広もそんな感じだな。イラストの世界観のほうが好みかな。
漫画をほとんど全部揃えてるくせにいうのも何だが。
○「贈る人」
ああこれめっちゃ好きな画。温和で善良(そう)な青年がある瞬間に、豹変するんです。
この目つき。
眼鏡をはずすという、まさにその瞬間をとらえている点でも星3つだよね。
○「中古レコード」
(画はまたのちほど)
不思議な音楽に魅了されて所有欲にかられるとかいう話だったような…
○「ファッションモデル」
淵さん何度見てもやっぱり怖い。これは後味超悪い話だった…!
ああ、中学生のころだったか、予約して本屋に取りに行ったとき、
(閲覧注意かも…)←まじで (…かな?)
この表紙を見た瞬間、ちょっと伊藤潤二を恨みました。(笑)
レジの人とわたしの間に気まずい空気が流れたのを感じました…
そうそう、伊藤潤二を代表するといっていい富江と上の絵の双一ですが、
ニュアンスがわかる良いブログを見つけましたので、ちょっとご紹介させてもらいますね。
(ダメな絵もあったので一気に下にスクロ-ルしたわたし)
初期のころしか読んでないので知らないキャラがいっぱいだ~。
2位の双一と1位の富江のところで伊藤潤二の雰囲気がわかるかも。
ま、双一シリーズはギャグの要素がとりわけ強いよね。
布製教師は何度見ても笑える。画で突っ込み、セリフで突っ込み、状況に突っ込み、どこをとってもキテレツだけど登場人物がやたら真剣でまた突っ込み…。
今はまた全然ちがうカラーになっている感じだし、昔の作品でも全然受け付けずに読まない話もあるのでコアなファンとはいわないかもしれないけど、わたしの鬱々とした思春期をわずかにでも照らしてくれる光であったことは間違いない。
最後にキュートな富江を。
超初期のころにしか見られない手書きの字が味を出してるでしょう?